FA(ファクトリーオートメーション)
「運ぶ」「押す」「引く」「つかむ」など多くの「動き」が求められる工場の自動化にご使用いただいています。さまざまなFAネットワークや電動アクチュエータでお客様の実現させたい「動き」をサポートいたします。
αSTEPは発売以降、FA(ファクトリーオートメーション)をはじめ、半導体、電子部品製造装置、医療機器など幅広い用途で採用されています。人の作業を代替する自動化はかつてない勢いで加速しており、モーターへの要求も多様化しています。αSTEPは時代の変化に追従し、お客様のニーズにお応えし続ける製品です。
αSTEPはオープンループ制御とクローズドループ制御をハイブリッドした独自制御を行うステッピングモーターベースのモーターです。
ステッピングモーターは回転角度・回転速度をオープンループで正確に制御できるモーターで、半導体製造装置や医療分析器などの産業分野で幅広く使用されています。αSTEPはオープンループ制御のステッピングモーターの信頼性を上げたいという考えから開発された製品で、サーボモーターと同様に高精度な位置決めや速度制御はもちろん、モーターの発生トルクを任意の値に制限する制御が可能です。中・低速域のトルクが高いため、短距離の位置決めを得意としています。また、DC電源入力や小型のラインアップが多い点も特徴です。
※ACサーボモーターの出力(W)は「定格回転速度」で回っているときの出力(W)を「定格出力」と表示しています。一方、高精度位置決めや中低速域で高トルクが特徴のステッピングモーターには、「定格回転速度」がないため、「定格出力」表記もありません。「回転速度」により算出される出力(W)も変わるため、ここでは標準タイプモーターのトルクが何Wのサーボモーターの定格トルクに相当するかを、参考として記載しています。
αSTEPは位置などを常時監視しながら、状況に応じてオープンループ制御とクローズドループ制御を自動で切替えます。通常はステッピングモーターと同様にオープンループ制御で指令に対し同期した動きになります。仮に過負荷になり位置偏差が±1.8°以上になるとサーボモーターのようにクローズドループ制御に切り替わり補正動作を行います。
1998年に初代αSTEPのASシリーズが発売。2007年にはモーターの省電力/低発熱化、FAネットワーク対応といったニーズにお応えするARシリーズが発売。省エネルギー製品として評価され、2008年の第29回優秀省エネルギー機器経済産業大臣賞を受賞しました。そして2013年にはバッテリ不要の多回転アブソリュートセンサを搭載したAZシリーズが発売。バッテリレスでアブソリュートシステムの構築が可能となりました。このようにαSTEPは約20年にわたり、時代の変化に合わせ進化し続けています。今では、多くのお客様からご好評をいただき、FA(ファクトリーオートメーション)をはじめ、半導体、電子部品製造装置、医療機器など幅広い用途で採用されています。
高応答
ステッピングモーターの高応答を活かし、短い距離を短時間で動かすことができます。指令に対して遅れなく、追従して動かせます。
急激な負荷変動、急加速でも運転を継続
指令に対して遅れないオープンループ制御の応答性が機敏な動きを実現。急激な負荷変動にはクローズドループで制御で対応。万が一の異常時にはアラーム信号を出力します。
ハンチングなしで停止位置を保持
位置決め時にはハンチングなくモーター自身の保持力によって停止するため、低剛性機構で停止時に振動があっては困る用途に最適です。
チューニング不要
通常時はオープンループ制御で運転するため、ベルト機構やカム、チェーン駆動などの負荷変動などがある場合も、ゲイン調整なしで位置決め可能です。
省電力
モーターに使用されている鉄心材料の見直しや磁気回路・ステータ巻き線の最適設計を実施。損失のピークがある1000r/min付近では、無負荷時の損失が従来品の120Wから30Wと約90W低減しています。また、最大負荷時(負荷率100%)の損失も80Wから25Wと約55W低減しています。
ドライバのPWM制御の改善を行い、損失を大幅に低減させています。モーターとドライバを合わせたユニットとしての消費電力も大幅に削減されています。右記表は1000r/min時の消費電力の比較であり、負荷率 50%の時は従来比45%減の省エネルギーを達成していることがわかります。
消費電力の削減は同時にモーターの低発熱化も実現させています。従来品は周囲温度25℃、回転速度1600r/minの場合、 2秒運転・3秒停止という運転条件で外被温度が約100℃に達しますがARM66ACは同じ条件でも外被温度が約50℃となり、温度上昇では1/3に収まっています。
標準タイプのモーターだけでなく、ギヤードモーターや、モーターに機構部品を組み合わせた電動アクチュエータもご用意しています。ドライバはAC電源入力(100V-240V)とDC電源入力(DC24V/48V)をご用意。各種FAネットワークに対応した製品も多くラインアップしています。装置内で同じシリーズのモーター・ドライバを選択することで、配線・制御・保守部品を統一でき、立ち上げの時間や手間を削減できます。
グローバル対応 海外規格
世界の主要国で使用できるように、単相100V/200V系、三相200V系、DC電源入力の電圧仕様をラインアップしています。各シリーズにおいてUL/CSA規格の認証を取得し、EN規格対応、CEマーキングを実施しています。
さまざまなチャネルで1台からお届け
1台の試作用からWEBショップ、お電話、メールでご注文いただけます。量産向けもご相談ください。海外でもご購入いただけます。
αSTEPは、高精度な位置決めや速度制御はもちろん、モーターの発生トルクを任意の値に制限する制御が可能。中・低速域のトルクが高いため、短距離の位置決めを得意としています。また、DC電源入力や小型のラインアップが多い点も特徴です。これらの特性が活かせるような、幅広い用途で採用されてきました。実際の採用実績を、主な理由とともにご紹介します。
FA(ファクトリーオートメーション)
「運ぶ」「押す」「引く」「つかむ」など多くの「動き」が求められる工場の自動化にご使用いただいています。さまざまなFAネットワークや電動アクチュエータでお客様の実現させたい「動き」をサポートいたします。
半導体製造装置
ミクロン単位の精度が求められる、半導体の製造装置に長年採用されています。搬送中の振動抑制だけでなく、停止中の振動を抑えることも可能です。
精密ステージ
任意の位置まで正確に動く必要のある精密ステージにαSTEPが採用されています。分析器や検査装置など、さまざまな装置内で高精度位置決めを実現させています。
医療調剤機器・分析装置
より確かな特性・品質が求められる医療機器の分野において信頼いただき長年採用されています。
クローズドループ制御で万が一の時もアラームを出力し、モーターの回転異常をお知らせします。
食品計量・包装機
装置としての処理速度が求められる計量・包装機に採用されています。ラベルの貼り付けなどショートストロークの繰り返し位置決めで力を発揮し、装置のタクトタイム短縮に貢献しています。
自作ロボット
近年、自作のロボット向けでの採用も増加しています。ロボットに求められる状態監視やトルク制限はもちろん、小型、軽量化にも貢献しています。
当社の製造現場で使われている内製装置にもαSTEPを採用しています。装置の構造やシステム構成などのほか、各軸における製品選定のポイントを解説。
装置の設計から立ち上げまでのサポートをご案内したページをご用意しています。
近年、人材不足などを背景に、「人の作業を代替するロボット」のニーズが高まっています。より小型で、ラインでの作業に必要な動作を実現するため、自作ロボットを新規検討するシーンも増えています。αSTEPのAZシリーズは、バッテリ不要のアブソリュートシステム搭載、小型の制御モーターという強味を活かし、ロボット小型化・自作のニーズに応えます。
αSTEP AZシリーズなら、原点などの外部センサを削減でき、省配線でコンパクトな構成に貢献します。機械式多回転アブソリュートセンサ〈ABZO〉を採用しているため、位置決め運転中に電源が非常停止や停電による遮断されていても位置情報を保持します。機械式なのでデータ保持のためのバッテリは不要です。バッテリの購入コストや、運用時のトラブル、メンテナンス時期を気にする必要がありません。また、AZシリーズのモーター自体がセンサの代わりとなり、ロボットの状態を数値に変換することができます。
トルクが出すぎない
出力トルクを制限でき、機構やモーターの破損を防ぐことができます。また、設定した制限値到達時にTLC信号を出力させ、PLC側で検知、利用することができます。
アラーム前の異常検知/停止
トルクや位置の情報を利用して、アラーム前に異常予知の検出が可能です。出力信号を上位に取り込み、即時停止するシステムも構築できます。
運転エリアごとに速度やトルクを制限
エリアセンサなど外部からの情報を元に信号を入力し、あらかじめ設定したトルクや速度に切り替えて運転できます。
さまざまなモーターステータスのモニタ、収集が可能
フィードバックされるステータスの中には、あらかじめ設定した閾値に達したときに信号を出力できるものがあります。装置の安全性向上や予防保全に利用できます。
ロボット内のモーター温度を、リアルタイムでモニタ可能です。
モーターの負荷率を、面積で把握し、値として検出できます。経年劣化など長期の負荷の変化を把握したいときに便利です。
モーターの累積回転数をモニタできます。メンテナンスなどに利用できます。
小型・軽量のモーターやアクチュエータのラインアップも豊富。ロボットの小型化や、エンドエフェクタに使う場合の各アーム軸への負荷低減にも貢献します。
ロボットを導入するにあたって、「ロボットを自社で内製したい」「市販品は機能的にオーバースペック」「内製しようにもモーターの選定方法がわからない」といった設計の悩み・不安はありませんか。当社では実際に作ったデモ機をもとにポイントをご紹介しています。併せて、ロボットの内製を検討のお客様に向けて関連サービスをご用意しています。ご検討の際はお気軽にご相談ください。
さまざまな装置、制御、システムに対応する製品をラインアップしました。標準タイプのモーターだけでなく、ギヤードモーターや、モーターに機構部品を組み合わせた電動アクチュエータもご用意しています。ドライバは各種FAネットワークに対応した製品をラインアップ。装置内で同じシリーズのモーター・ドライバを選択することで、配線・制御・保守部品を統一でき、立ち上げの時間や手間を削減できます。
※取付角寸法20mm、28mm(30mm)は、±450回転(900回転分)です。
シリーズ | AZシリーズ | ARシリーズ | |
---|---|---|---|
特徴 |
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位置センサ |
ABZO(バッテリレス多回転アブソリュートセンサ)
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レゾルバ
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モーター分解能 | 3.6° ~ 0.036° | ||
原点復帰方法 | 押し当て | ○ | ○ |
外部センサ | ○ | ○ | |
アブソリュートシステム | バッテリ不要 | バッテリ使用(バッテリは別売り) | |
連続運転 | △ (モーターセンサ温度85℃以下で可) |
○ | |
モーター種類 |
標準タイプ TSギヤード(平歯車機構) 直交軸FCギヤード(フェースギヤ機構) PSギヤード(遊星歯車機構) HPGギヤード(ハーモニックプラネタリR) ![]() ハーモニックギヤード(ハーモニックドライブR) ![]() |
標準タイプ THギヤード(平歯車機構) 直交軸FCギヤード(フェースギヤ機構) PSギヤード(遊星歯車機構) PNギヤード(遊星歯車機構) ハーモニックギヤード(ハーモニックドライブR) ![]() 真空タイプ |
|
アクチュエータ種類 |
電動スライダ 電動シリンダ 中空ロータリーアクチュエータ コンパクト電動シリンダ 電動グリッパ ラック・ピニオンシステム |
電動スライダ 電動シリンダ 中空ロータリーアクチュエータ |
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ドライバ種類 |
パルス列入力 位置決め機能内蔵 ![]() RS-485通信付きパルス列入力 EtherNet/IP対応 PROFINET対応 SSCNETⅢ/H対応 MECHATROLINK-Ⅲ EtherCAT ドライブプロファイル対応 多軸ドライバ(DC電源入力) miniドライバ |
パルス列入力 位置決め機能内蔵 ![]() |
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対応ネットワーク種類 |
EtherNet/IP? PROFINET SSCNETⅢ/H MECHATROLINK-Ⅱ※1 MECHATROLINK-Ⅲ EtherCAT ドライブプロファイル対応 CC-Link※1 Modbus(RTU) |
MECHATROLINK-Ⅱ※1 MECHATROLINK-Ⅲ※1 EtherCAT ※1 CC-Link※1 Modbus(RTU) |
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シーケンス機能 | ○ | × | |
動力遮断機能 | ○ | × | |
データ収集機能 | ○ | △ (一部項目のモニタ不可) |
|
高真空タイプ(10-5Pa) | × | ○ | |
定価 (モーター、ドライバ、1mケーブル) |
68,200円~ | 50,800円~ |
※1 ネットワークコンバータ経由
取付角寸法20mmの業界最小クラスのモーターから各種ギヤードモーターまで幅広いラインアップを用意。トルク、精度(バックラッシ)や価格を考慮して、最適なタイプを選択いただけます。
取付角寸法 20mm~85mm
取付角寸法 42mm~90mm
取付角寸法 42mm、60mm
取付角寸法 28mm~90mm
取付角寸法 40mm~90mm
取付角寸法 30mm~90mm
さまざまな自動機器にお応えできるように、モーターに機構部品を組み付けた電動アクチュエータを各種取り揃えています。モーターも、アクチュエータも、同じ使い勝手。AZシリーズ搭載製品を選べば、外部センサレスかも可能になり、電気担当者、保全担当者の負担を減らします。
EtherNet/IP、PROFINET、SSCNETⅢ/H、MECHATROLINK-Ⅲ、EtherCATドライブプロファイルに対応した製品をそれぞれご用意しています。
上位制御機器とドライバを通信ケーブル1本で接続するため、省配線を実現します。
RS-485通信で制御できる小型ドライバです。スイッチや I/Oコネクタをなくしたことにより、小型・軽量化を実現しました。狭い場所にも設置できる小型設計。重さ56gと軽量なので可動部に設置した場合でも負荷トルクや慣性モーメントを軽減でき、メカ・制御盤設計の自由度拡大に貢献します。
運転データをドライバに設定し、上位から運転データの選択、実行をするタイプです。上位との接続、制御はI/O、Modbus(RTU) / RS-485通信、FAネットワークいずれかで行えます。ネットワークコンバータ(別売)を使用することにより、CC-Link通信、MECHATROLINK通信、EtherCAT通信で制御できます。
ドライバに対してパルスを入力することで運転を実行するタイプです。お客様がご用意する位置決めユニット(パルス発振器)から モーターのコントロールを行います。
サポートソフト (MEXE02)を使用することで、アラーム履歴の確認や各種状態 のモニタができます。
当社製品と、他社「タッチパネル」や「PLC」との接続に関する情報を掲載しています。
対象メーカーの画面サンプルや接続ガイドをダウンロードいただけるほか、当社製品と他社機器と直接接続が可能な通信ケーブルについてもご案内しています。プログラム設計・立ち上げの時間短縮に貢献できますので、ぜひご活用ください。
対象メーカー:
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 / 発紘電機株式会社 / 三菱電機株式会社 / 株式会社キーエンス /
オムロン株式会社 / 株式会社日立産機システム / 株式会社安川電機