制御盤の内部環境トラブル防止策
制御盤のトラブルを未然に防ぐ設計時に知っておきたい3つのポイント
制御盤のトラブルにつながる3つの要因
装置を安定稼動させるには、制御盤の内部環境を最適な状態に維持できるように設計することが重要です。
しかし実際には設置環境や稼働状況の変化によりさまざまなトラブル要因が存在します。
そこで、制御盤のトラブルをひきおこす代表的な3つの要因とそのソリューションについてご説明します。

要因1:熱
これは一般的に「アレニウスの式(10℃ 2倍則)」に従うと言われており、温度が10℃高くなると寿命は半分になります。
右の図はアルミニウム電解コンデンサの例です。温度が10℃上がる(T→T+10)と、寿命が半減(L0→1/2L0)しています。
このことから、制御盤内部の温度を低く安定させることが、劣化の抑制に効果的であることがわかります。

要因2:結露
結露状態を含む高湿度環境は金属の腐食を促進し、制御機器の誤動作につながるリスクがあります。
下の図は金属の腐食速度と相対湿度の関係を表したものです。相対湿度が増えると腐食の発生も速くなり、鉄は50%を超えたあたりから急加速しています。このことから、制御盤内部の湿度を低く安定させることが、腐食の抑制に効果的であることが分かります。
なお、湿度には相対湿度と絶対湿度があります。通常湿度と言えば相対湿度のことを指します。

出典:「電子部品の腐食損傷と分析」大阪府立産業技術総合研究所
要因3:異物
制御盤に切粉や電線くずなどの金属片が侵入すると、活電部でショートし破損する可能性があります。また異物が綿ぼこりのような金属以外の物質であっても、空気中の水分が吸湿した場合はトラッキング現象による破損の原因になりかねません。
このことから、制御盤内部に異物・粉塵やほこりを侵入させないことが、電気的なトラブルの発生を抑制することに効果的であることがわかります。
トラブルを未然に防ぐソリューション
熱や異物・ほこりの対策に・・・ 制御盤取付用パネルセット
当社のプロペラファン(別売)に組み付けてご使用ください。
IP2X/4X/43/55の4種類をラインアップしていますので、設置環境に合わせてお選びください。
フィンガーガードパネルセット IP2X仕様の組付例
(フィルターなし)

(フィルター付)

結露の対策に・・・ 制御盤ヒーターユニット
シーズヒーターに放熱板、プロペラファンおよびフィンガーガードを組み付けた製品です。
一般的に筐体内の温度を5℃上昇させるだけで、相対湿度を20%ダウンさせることができます。
ヒーターで内部温度を上昇させ、相対湿度を抑えることが結露や腐食発生の抑制につながります。
(キュービクルの結露対策にもおすすめします)


改善事例:結露が原因で発生したトラブルを制御盤ヒーターユニットで解決
〈改善前〉
盤内の湿度を調べたところ、時間帯や曜日によって70%以上に達することが分かった。
〈改善後〉
制御盤ヒーターユニットを設置したところ湿度が50%以下※に抑えられ、結露によるトラブルは解消された。
※50%以上で動作する湿度スイッチを併用

製品紹介
制御盤取付用パネルセット
フィンガーガードパネルセット IP2X仕様 |
スリット板金パネルセット IP4X仕様 |
防塵・防滴パネルセット IP43・IP55仕様 |
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パネル色※/ パネル塗装色※ |
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定価 |
2,400円~ |
7,450円~ |
5,050円~ |
※モニタ画面の設定等により実際の色と異なる場合があります。
取り付け可能なプロペラファン(別売)
・AC電源入力

低消費電力 EMUシリーズ | :□92mm-38mm厚/□120mm-38mm厚 |
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MUシリーズ (防湿タイプ、標準タイプ) |
:□119mm-25mm厚/□119mm-38mm厚 |
・DC電源入力
MDシリーズ | :□92mm-25mm厚/□119(120)mm-25mm厚/□119(120)mm-38mm厚 |
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制御盤ヒーターユニット
タイプ
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搭載ファンサイズ
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電源電圧
[V] |
発熱量 [W]
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100
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150
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200
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300
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400
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ファン付スペースヒーター
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□80mm-25mm厚
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単相 100 単相 200 |
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□119mm-25mm厚
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小型のヒーターをお探しの場合はオリエンタルモーターWEBショップをご確認ください。