ラジアル・アキシアル荷重って何ですか?
- 照代さん
- あら、学くん。何か分からないことがあるのかしら。
- 学くん
- ラジアル荷重についてお客様から質問をいただいたのですが、アキシアル荷重というのも出てきてよく分からないんです。
- 照代さん
- しっかりね!図1のように出力軸に対して直角方向に加わる荷重がラジアル荷重、出力軸の軸方向に加わる荷重がアキシアル荷重でしょ。
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- 学くん
- そうでした…でもカタログには「許容ラジアル荷重」という言葉が出てきます。「許容」という言葉が付くと、どう違うんでしょう。
- 照代さん
- 許容ラジアル荷重は、モーターの軸にかけられる荷重の上限値なの。例えば、100Nのラジアル荷重がかかる場合、許容ラジアル荷重の値は100N以上でなければならないのよ。
- 学くん
- なるほど。ところで、許容アキシアル荷重・許容ラジアル荷重よりも大きい荷重がかかってしまうと、どうなるんでしょうか。
- 照代さん
- モーター、ギヤ内部の軸受が破損してしまう恐れがあるわ。それからラジアル方向の荷重では、軸が曲がったり折れてしまったりすることもあるの。
- 学くん
- そうか!だからラジアル荷重を気にしないといけないんですね。早速、カタログでモーターの許容ラジアル荷重を調べてみます…あれ?1つのモーターに2つの値が記載してありますね。「出力軸先端からの距離」によって何か違いがあるんですか?
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- 照代さん
- 図1を見て。許容ラジアル荷重は、軸のどの点に力が加わるかによって値が違ってくるの。軸受から離れた所に力が加わるほど、シャフトを曲げる力は強くなるの。だから、許容ラジアル荷重は、軸受から離れるほど小さい値になるのよ。
- 学くん
- なるほど、よく分かりました。ところで、お客様の機構はベルトコンベヤなのですが、どのくらいラジアル荷重が加わるのか分からないそうなんです。どうやって計算すればよいでしょうか?
- 照代さん
- ラジアル荷重は下の式で求められるのよ。
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- 学くん
- う~ん …。少し複雑な計算式ですね。
- 照代さん
- そんなことないわよ。図2を見てみて。コンベヤに当てはめてみると分かりやすいわ。
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- 学くん
- あっ本当だ。これなら分かります!しかし、「K:駆動方法による荷重係数」と「f:サービスファクタ」ってどういうことでしょうか?
- 照代さん
- コンベヤと言っても平ベルトやチェーンなど駆動方法が異なる場合があるわよね。そんな駆動方法による違いもラジアル荷重では考慮する必要があるのよ。それが駆動方法による荷重係数ね。サービスファクタについても、同一方向に24時間駆動する場合もあれば、頻繁に起動・停止する場合もあるわよね。そんな運転条件も考慮する必要があるのよ。
- 学くん
- なかなか奥が深いんですね…もう一回お客様に電話をして詳しく条件を聞いてみます。
- 照代さん
- それが良いと思うわ。条件が厳しかったら、高強度のギヤがブラシレスモーターBMUシリーズとBLE2シリーズにあるから紹介してみて。
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- 学くん
- 分かりました。ご紹介してみます!
- 照代さん
- あ、そうだわ。DC電源で使用する場合は、平行軸ギヤヘッドに取り付けることで許容荷重がアップするフランジ出力ヘッドもあるわよ。DC電源入力のブラシレスモーター(100Wのみ)に使用できるわ。
- 学くん
- 平行軸ギヤヘッドに取り付けるということは、使用中の装置に後付けもできるんですね。
- 照代さん
- 便利でしょ?それにギヤヘッドと違って速度が落ちないところもポイントよ。これでばっちりかしら?
- 学くん
- はい。ありがとうございます!
- 2020年12月3日 最新の情報に更新しました。