ACモーターの基礎

ACモーターの動作原理、使い方、寿命、配線について、基礎からわかりやすく説明します。

2-4. 瞬時停止機能 ― ブレーキパックについて

瞬時停止機能 ― ブレーキパック

ACモーターを瞬時停止させたいときは、ブレーキパックを使用します。
こちらのページでは、ブレーキパックの役割と動作原理について説明します。

2-4-1. ブレーキパックの役割

ブレーキパックとは、ブレーキ回路を搭載した製品です。
モーターを瞬時に停止し、オーバーラン量を小さくすることができます。

グラフ:インダクションモーター 30~40回転、レバーシブルモーター 5~6回転、電磁ブレ ― キ付モーター 2~3回転、ブレーキパックによる瞬時停止 1~1.5回転

上図は、各ACモーターの無負荷時のオーバーラン量(参考値)の比較です。
ブレーキパックを組み合わせることで、オーバーラン量を1~1.5回転程度に抑えることができます。

ブレーキパックを使った簡易位置決め

ブレーキパックは、上位PLCなどによる制御が可能です。
外部センサを使った簡易位置決めなどにも利用できます。

図:ブレーキパックを使った簡易位置決め

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2-4-2. ブレーキパックの動作原理

ACモーターは、AC電源によって発生した回転磁界によって回転します。
ブレーキパックは、モーターへ大きな制動電流を流し、固定磁界を発生させます。

回転磁界を失ったモーターは停止します。そして、制動電流を流した後、商用電源の供給も遮断します。

ブレーキパックの内部構成

図:ブレーキパックの内部構成

SCRを使った回路は、制動電流を流す回路です。一方向からの電流のみが流れます。
TRIACを使った回路は、商用電源の供給回路です。双方向から電流が流れます。

ACモーターを運転するとき

ACモーターを運転するときは、TRIACの回路を使用します。

TRIACにトリガ信号を与えると、ACモーターに商用電源が供給されます。
単相モーターの場合、主巻線に流れる電流に対し、補助巻線にはコンデンサによる位相のずれた電流が流れます。
これにより、回転磁界が発生し、モーターが回転します。詳しくは、1-4-2. 回転磁界(単相電源・三相電源)をご覧ください。

図:ACモーターを運転するとき

ACモーターを瞬時停止するとき

ACモーターを瞬時停止するときは、SCRの回路を使用し、TRIACの回路を遮断します。

SCRにトリガ信号を与えると、ACモーターに制動電流が流れます。制動電流は一方向の電流です。
この制動電流は半波整流されているため、同相の電流だけが流れます。
また、SCRの回路はコンデンサを経由しないため、主巻線と補助巻線の位相のずれがなくなります。

制動電流を流した後、TRIACの信号をOFFにし、商用電源の供給を遮断します。

図:ACモーターを瞬時停止するとき

制動電流と発熱について

グラフ:制動電流と発熱について

瞬時停止時には、運転電流以上の大きな制動電流が流れます。
制動電流の流れる時間は1秒に満たないため、1回の使用で発熱が大きくなるということはありません。

ただし、短時間に運転と制動を繰り返す場合、ACモーターとブレーキパックの発熱が大きくなり、連続使用時間が制限されることがあります。

ブレーキパックの運転サイクルと発熱については、3-2-2. ブレーキパックによる間欠運転と温度上昇をご覧ください。

関連情報

電磁ブレーキ付モーターの寿命について、当eラーニングの後半で説明します。

関連製品

スピードコントロールモーター DSCシリーズ

スピードコントロールモーター DSCシリーズ

ブレーキパックと同じ、制動電流による瞬時停止機能をもった製品です。
速度制御が可能ですが、ACモーター単体のときのように、一定速で使用することもできます。

<ポイント>

電磁ブレーキ付タイプ有り。負荷保持と瞬時停止を一つのコントローラで制御。
スピードコントローラとモーターの配線はコネクタ方式。ワンタッチで簡単接続。

まとめ

ブレーキパックは、モーターに制動電流を流すことによって、瞬時停止させている

モーターを瞬時停止させることで、簡易位置決め運転をすることができる

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